茅葺き屋根の家  平成13年7月24日発行

茅葺き民家を守ろう:

茅舎の会総会

平成13年7月24日、関東地方に今年の最高温度が記録された暑い日に岩瀬町月山寺において茅舎の会総会が開催されました。暑い日にも関わらず北は福島県より、南は潮来町市からと18名の参加者がありました。
副会長菊池祀広先生の開会挨拶により始まり、照沼会長は「茅葺き屋根の家は日本の原風景であり、この日本の形を次の時代に残さなければならない」と語った。会長より昨年の事業実績を語っていただき総会の討論に入った。
まず、事務局より昨年の事業報告と会計報告をしました。


  • 平成12年度総会   平成12年 7月26日(月) 小川町・やすらぎの里
  • やすらぎの里に移築された水戸藩医本間玄沢旧居で開催しました。
  • 平成12年度見学会  平成12年11月21日(水) 新利根町重要文化財・平井家
  • 昨年度より改修工事に入った平井家へ改修前の姿を見に行きました。当日は新利根町の教育委会が貴重な資料を用意してくださり、町内の文化財を紹介してくれました。
  • インターネットホームページによる反響
  • 平成12年8月 岩手県(歴史的建造物愛好協会)より岩手県浄法寺町より資料が送られてきた。浄法寺町は地元の天台寺に作家の瀬戸内寂聴師が住職として入られ、最近町が活性化されています。
    当会より 茅舎の会の資料を送り、ホームページにリンクをつける。
    当会より 歴史的建造物愛好協会の茅葺き110番にリンクする。
    平成12年9月 大阪府・まこと建設より関西の茅葺き師を特に奈良県の仕事なので奈良県の職人を紹介して欲しいとのメールあり。
    当会より 京都・美山町の茅葺き師を栃木県茅葺き保存協会より紹介していただきメールを。
    当会より 奈良文化財研究所に茅葺き師の情報をお願いし紹介して貰う。当会より まこと建設に奈良県の茅葺き師を紹介。
    平成12年10月 筑波大の高木朝子さまより茨城の茅場の情報をとメールを貰う。
    当会より 茨城の茅場の情報を送る。  
    平成12年10月 千代田町の「雪入りふれあいの里公園」の矢野さまより公園の傾斜地にあるススキを茅葺きの茅の材料にできないかとメールがありました。
    当会より 一色先生と松浦が一緒に「雪入りふれあいの里公園」に行き、矢野さんと面談。その後、何人かの茅師さんに相談して見て貰ったのですが傾斜地の茅で使用不可の返答あり。
    平成13年4月 岩瀬町の仙波様より仙波家が明治初期自由民権運動の研光社の跡で有ると連絡あり、保存について相談したいとのこと、総会の時に会いましょうと連絡。
    平成13年4月 千葉県富浦町の武半様より茅葺き師を紹介して欲しいとメールあり。
    当会より 栃木県・茅葺き保存協会、千葉県・岩瀬建築を紹介しました。
    平成13年6月 福井県(株)池田町森林建築センターより町内の茅葺き屋根建築の修理をしたいのですが当町内にある茅が不足して茨城で余っていれば欲しいとメールあり。
    当会より 茨城県より運送する負担より、近くの民家園の情報を教えました。事務局の独自の判断ですが茨城県より運送するより、近くの民家園に茅があるのではないかと思ったのです。  
  • 総会参加者の自己紹介
  • やすらぎの里に移築された水戸藩医本間玄沢旧居で開催しました。

       照沼信邦・・・茨城茅舎の会会長、茅葺きの家を個人的に保存(水戸藩庄屋の家)
       菊池祀広・・・茨城茅舎の会副会長、、茅葺きの家を個人的に保存(修験道の家)
       松浦正夫・・・茅舎の会事務局
       一色文彦・・・茨城の民家調査をし、茅舎の会を組織してくれた。建築文化史家。
       中根  ・・・福島県西郷村より参加、地元民家情報が」豊富にあります。
       土屋  ・・・土浦市宍塚里山保存運動で活躍しています。
       佐川直徳・・・県北里美村の出身、水戸に住んでいるが茅葺きの家に関心がある。
       堀江茂邦・・・金砂郷町・県指定堀江家の当主・
       山澤幸次・・・潮来町の郷土史家、ジャランボの会を主催。子民家の写真撮影。
       若泉悦子・・・古建築研究会・古い建物が好き。
       青山陽子・・・古建築研究会・茅葺き民家にも興味あり。
       渡辺ふみ・・・茅葺き民家が好き。
       高田正巳・・・つくば市の建築家、古建築に興味あり。
       内藤 弘・・・古建築に興味あり、最近中東に行き、古民家にも興味あり。
       酒井 真・・・土浦より参加、茅葺き民家に興味あり。
       木間塚勝吉・・茅葺き師、茨城の多くの文化財に従事。  

  • 討論
  • 1.  本年度秋の民家見学会は参加者の要望により最近、整備の進んでいる水海道市・坂野家へいくことに決まりました。

    2. 潮来市の山澤様より茨城県内を回ったときに撮影した茅葺き民家の写真を見て、一色先生より茅葺き民家の写真展を開催できないかとの提案がされ、来年度の事業として県内、2カ所くらいで開催できるように準備することが決まりました。そのうち1カ所は照沼会長の地元・東海村で開催できるように希望がありました。

    3. 写真展と同じ場所で文化トークの会を開催できないかとの照沼会長からの提案があり、茅葺き関係者の中から講演者を捜して開催する準備をすることが決まりました。

    4. 参加者より今回参加した人の名簿が欲しいと要望があり、総会の会議録とともに郵送することになりました。

    5. インターネット上で茅の手当ての相談があったことを報告したところ、菊池副会長より日立の方に茅の手当てのできる広い土地が有ることの報告がありました。
    茅葺き師の木間塚氏より茅葺き民家の保存事業による茅の手当ての苦労を伺いました。氏によると前の年に茅を葺く家によって、茅を手当てするそうです。足らないときは静岡県御殿場市より取り寄せたこともあるそうです。奇麗な茅場があると地元の人に頼んでその茅を刈らせて貰ったり、次の年に使うために茅場を整理(茅場をきれいに刈って良い茅が生えるようにする)したりするそうです。役場によっては茅が普通の工業製品のように何時でも手に入れることが出来ると思っている人がいると語った。茅場の整備については菊池副会長も前年にコンバインのように茅を粉砕してきれいな茅を採るそうです。
    福島県より参加した中根様によると岐阜県の民家村などでは茅が足らなくなり、岩手県より手当てしたそうです。
    福島県でも中根さんの住んでいる西郷村でも茅葺き師はいるが高齢化が進んでいるとのこと。
    潮来市の山澤さんの話によると潮来方面では茅葺きの民家が減っていて、山澤さんの集落では一軒だけになったそうす。
    土浦市宍塚で里山の復元に協力している土屋さんによると宍塚にも茅場があり復元したいと思っているがまだまだそこまでいっていないそうです。
    一色先生より茅のストックセンターを文化庁が設置していると聞くがどのような形なのか調べてみたいと語る。
    中根さんによると多くは民家園の中か、福島県の例で言うと大内宿に置かれていると聞いていますとのことです。 
    事務局よりインターネットのホームページに茅の保存状況を載せたいとの要望を参加者に問い、参加者より合意を得ました。茅葺き民家を保存している民家園等に連絡をして茅舎の会ホームページ上に茅の在庫状況のページを載せたいと思います。
    以上 総会終了。

    見学

    会場になった月山寺住職より挨拶がありました。その後、一色先生の案内により月山寺の建築文化財を紹介していただきまた。中でも現在解体保存中の経堂は江戸時代の前期に活躍した黄檗宗の禅僧・了翁道覚禅師によって、一切経と共に寄進されてことが最近判りました。了翁禅師は錦袋圓と言う漢方薬を開発し、寛永寺の下池之端に勧学屋という薬店を開業してその利益を持って鉄眼版一切経を各宗派の21ヵ寺にその経を置く経堂と共に寄進した。その一つが月山寺の経堂である。


     書院      1661-73(寛文期) 県指定
     本堂      1680(延宝8年)  町指定
     日枝神社本殿  1715(正徳5年)  町指定
     中門      1754(宝暦4年)  町指定
     観音堂     1632(寛永9年)  栃木県二宮町より移築
     経堂      1705(宝永2年)  解体保存中


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